転職活動を始めた時、私は海外の就職事情について何も知りませんでした。
そのせいもあって、当初は「海外で働く=特別なスキルが必要=自分には無理」と思い込んでいました。
しかし、実際そんなことはありません。
結論を言うと、海外で働くのは意外に簡単です。
ということで今回は、「海外就職って難しそう」と思い込んでいる人に向けて、海外就職事情を解説したいと思います。
海外就職実現に向けて押さえておきたい2つのポイント
海外就職を実現するのに必要なのは学歴でもなく、英語力でもありません。
海外で働きたい人が押さえておくべきポイントは
- 就労ビザの取得が可能であること
- 自分の能力が求められていること
上記二点だけ。
これさえクリアしていれば、誰でも海外で働くことができます。
就労ビザの取得が可能であること
就労ビザの取得のハードルは国によって異なります。
例えば、アメリカやヨーロッパで働きたい場合、就労ビザの取得のハードルがかなり高いと言えます。
専門的な知識や特別なスキルがあって、英語もネイティブレベルというのであれば可能ですが、そうでないならまず無理でしょう。
では、他の国はどうでしょうか。
私はベトナム、マレーシア、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、インドの企業を対象に転職活動をしていましたが、シンガポールを除くこれらの国では就労ビザが取得しやすいため、かなり道が開けていると言えます。
(シンガポールはアメリカやヨーロッパ同様、就労ビザの取得のハードルが高いです)
このような就労ビザの取得が可能な国、つまり就労ビザがおりやすい国を選ぶことで、海外就職は一気に現実的になります。
自分の能力が求められていること
ここで言う「自分の能力」とは何も特別なことではなく、私たち日本人であれば誰にでも備わっている能力、「日本語が喋れること」です。
日系企業が多く進出している東南アジアでは、日本語が喋れる人材が多く求められています。
まだまだブルーオーシャンである東南アジアへは、今後も長期にわたり日系企業の進出が続くと予想されます。
つまり、その間は日本語を喋れる人材が求められ続けるということです。
日本語ができる現地人スタッフを雇えばいいのでは?と思うかもしれませんが、日本語を教育しながら仕事も覚えてもらうというのは、企業の負担が大きすぎます。
それなら初めから日本人に働いてもらった方が、企業としてはコスパがいいのです。
こうなると、英語や現地語が喋れなくとも、日本人という理由だけで海外で働くことが可能になります。
海外就職では日系企業も外資系企業もチャンスあり
ここまでの話を振り返ると、日系企業でしか働けないように思われるかもしれませんが、決してそうではありません。
海外で働きたいと考えている人の中には、「現地企業で働きたい」「グローバル展開されている大手企業で働きたい」という思いを持つ人も多いはず。
これももちろん実現可能です。諦める必要はないので安心してください。
冒頭で少し触れましたが、私が内定通知を受け取った中には、世界大手ITコンサル企業や外資系5つ星ホテルがありました。
一見難しそうに思うこれらの企業ですが、なぜ内定がもらえたのかというと、企業が日本人を求めていたからです。
東南アジアには日本人を求めている日系企業が多いと言いましたが、これは外資系企業においても言えることです。
これについて、もう少し詳しく解説します。
まずは世界大手ITコンサル企業ですが、この企業はクライアントに多くの日系企業を抱えており、日本語でコミュニケーションを取ったり日本語でプロジェクトを進める機会があったりします。
この企業ように、日系企業と活発に取引をしている外資系企業にとっては、日本語を話すスタッフ(日本人)が必要不可欠です。
そういう理由から、日本人向けの求人を出す外資系企業も多いです。
そして次に外資系5つ星ホテルですが、こちらは日本人の旅行者やビジネス客らが頻繁に利用することが理由として挙げられます。
日本人がよく利用するホテルには、日本と同じ質の高いサービスを提供できるよう、日本人スタッフが在籍していることが多いですが、外資系5つ星ホテルのような大きなホテルも、これに当てはまります。
以上のことから、外資系企業で働くチャンスも十分にあることが分かります。
ただし、外資系企業で働くとなると日常会話レベルの英語が話せなければなりません。
上述したような、「英語や現地語が喋れなくとも、日本人という理由だけで海外で働くことが可能」という状況とは全く違うので、注意が必要です。
海外就職のハードルはこの先どんどん上がっていく?
東南アジアの中で、シンガポールの就労ビザは取得のハードルが高いという話をしました。
これはシンガポールが英語圏であること、そして著しい経済成長とそれに伴う外国人労働者の急増していることが大きく影響していると考えられます。
そのため、シンガポールで働くためにはアメリカやヨーロッパで働く場合と同じように、専門性の高いスキルやネイティブレベルの英語を求められることがほとんどです。
そして、こうした流れはシンガポールにとどまらず、将来的には東南アジア各国でも起こり得ると予想できます。
就労ビザに関する規則は、いつ変更されてもおかしくありません。
海外就職に向けてしっかり英語を磨き、海外でも戦えるスキル(国家資格など)を身に付けておくことで、より実現させやすくなるはずです。
そして、裏技と言えるかどうかは分かりませんが、海外就職の方法としてもうひとつ。
海外駐在がある企業に入れば、海外で働くチャンスが手に入ります。
これは何も大手企業に限った話ではありません。
中小企業でも海外進出している日系企業はかなり増えているので、まずは日本本社に就職して、経験を積んでから海外駐在希望を出すことにより、駐在員として海外で働くことが可能です。
ただし駐在員の働き方は少し特殊で、駐在期間も企業に決められてしまいます。
海外で長く働きたい人にとっては駐在員として働くデメリットも多いかもしれないので、予めメリット・デメリットを理解しておくことをおすすめします。
まとめ:海外就職したい人はまずは初めの一歩を踏み出そう
海外就職実現に必要な2つのポイントは
- 就労ビザの取得が可能であること
- 自分の能力が求められていること
上記二点です。
まずは就職先として希望している国のビザ事情と、日本人の求人事情を知ることから始めてください。
「自分には無理」と思って、なかなか初めの一歩が踏み出せない人もいると思いますが、ここで思い切って行動してしまえば、海外就職へグッと近付くことになります。
恐れず、自信を持って、まずはその一歩を踏み出してくださいね。